夕刻ドライバーが積込みする中、古賀氏が置き場の端でうつぶせになりしばらく寝転っている。次は姿勢を変えうずくまっている。
コンタクトレンズを落としたのか?、
それと具合が悪いのか?
15分位経過したら鞠子も加わり二人うずくまっている。
明らかに様子がおかしく、たまりかねて「何をしてるの?」と聞く。
暗闇の中、小さな小さな平鋼の員数を数えていたそうだ。 カジ
路線会社で運べるものであれば、やっぱり運賃は安い。数年前に、ライトバン車で輸入ビールを運んだことがある。荷物スペースに荷物を程よく積んで半日使って神奈川2ヶ所と都内1ヶ所届ける。目一杯働いた満足感のついでに、水揚げを計算したら(お客様から頂く料金が路線料金程度だったので)、高速代を差し引くと手元には数百円しか残らず、ショックを受けたことがある。 吉田さんと話す中、路線便の短所が話題にがなった。①梱包が必要 ②納期が不安定 ③受領書がない ④鋼材に対しては集荷に来ない ⑤商品ごとに荷札(伝票)が必要等・・・。 やはり、使い分けが肝心ようだだ。 カジ
東京倉庫協会の秋季研修で9~10日と岐阜にいく。新幹線の車中、隣席のH氏と介護の話題になる。H氏、数年にわたり痴呆の母親を自宅で介護していたら、義母(奥さんの母親)も痴呆になり、母親は兄弟にまかせ、義母を自宅に来て貰うことにしたと言う。段階世代のH氏は兄弟が多いので何とかなったが、これからの20年後の我々の老後は大変だ。私は子供1人なので彼の負担も大きい。医療が進歩し男性も長生きするようになれば、一夫婦で3~4名の老人を介護することも大いにありえる。奥さんは介護兼、専業主婦にならざるえず、その中で子供を2~3名を育てていくことは一般家庭の経済的に不可能に近い。年金も今より減額になる中、大変な時代がやってくると痛感する車中での話題だった。 カジ
料金改定後、お客様の一部の値上げに対する大きな抵抗もなく通常にオーダーをいただけるのが有りがたい。どちらかと言うと、鉄鋼団地内の集荷料金値上げの方が、何となく気になるようで、聞かれる度にスタッフは「申し訳ございません」言葉をそえている。料金表やご案内を各社にお送りすることにより、色々なお問合せで今まで以上にメタル便に声をかけていただいている。9月に入って古賀氏もその対応におわれている現状だ。 カジ
メタル便の車両、一見同じ様に見えても実は何種類か用意されている。4t車サイズの8t積載車→積載が多い方面に使用。高さ80cmあおりのアルミボディー車→ 一般雑貨と詰め合わせのときに使用。4tショートボディー→狭い届け先に使用。大型車ショートサイズの15t積載車など・・・これらを毎日変動する輸送量・商品・届け先に応じ配車係りが使い分ける。別に計画的に揃えた訳ではなく、車両を購入する際に一番欲しく、必要な車両をそろえたらいろいろ種類になった。でも2t車は無い、なぜなら提示の運賃で2t積んでもコスト的にまったく合わないから。
メタル便関西の吉田氏が東京にきたので昼食。不思議で、関西も関東も同時期にサービス案内を含めた料金表を改定している。作成途中ではお互いにデジタルデータ-を交換しており、今回は示し合わせた訳ではないが偶然料金表の完成品をもっていたのでお互いの作品を説明しながらの意見交換。吉田氏より関東の料金表には路線便の料金表を入れた方が良いとのアドバイスがあった。単に料金表の品評会をしているのではなく、メタル便サービスの概念の調整をお互いにしているような気がした。
9月1日より、メタル便の料金改定になる。従来は最小重量が50kgだったのが、200kgからとなり実質的な値上げになる。軽油価格の高騰によるものではなく、今後広くメタル便サービスをお客様に使っていただく為の、深い深い意味がある。単にメタル便=小口ではなく、もっとお客様全体の物流費を下げるために、より機動力を持たせるための価格改定だ。
今回の料金改定までは、5年間の長い道のりがある。メタル便の料金は、ある一定量を集めないと採算にあわない設定で、開始して数年間は採算割れの運行が日常化していた。「メタル便を使うと便利で物流費も下がるかもしれない。でも従来の運送会社は切れない」と言うのがお客様の意向で、認知してもらい日常的に使っていただけるまでには、年月が必要だった。当然、料金を上げたい事は何度もあったが、我慢した。その度に、お客様に価格転化する前に我々のすべき努力がまだあるのではないかと自問自答してきた。共に働くものに無理を言い続けた。
私は当初より「もし我々より安い価格で同様のサービスができるか物流会社が出現し、継続を見届けたらこのビジネスはきっぱり辞めよう」と決めていた。途中で匙をなげるのではなく、共同配送は荷物を一箇所に集めるべきであって、数社が同様のことをすると、最終的にはお客様のメリットがなくなるとの信念からだ。幸か不幸か、我々の価格でできるライバルはこの5年間で出現しなかった。 カジ
メタル便がどんなことをしているかをお客様に説明する目的で、パワーポイントを使ってビジネスモデルを解り易く図式化していく。「□・○・→」を組み合わせて関東地区のマップデザインにのっけていく。この作業はメタル便始めってから、全く変わらない。アイデアや構想を練るのではなく、現在行っていることをひたすら分析し図式化していく。過去を振りかえって、運送のアイデアは新鋼流会やお客様との会話のにあり、それを日々少しずつ現場で具現化してきた。パワーポイントでまとめたビジネスモデル・シートは現在15枚位になる。一枚完成する度に右角に小さく完成年月日を入れ、メタル便の成長記録にしている。2枚のシートを1枚まとめ立体的に説明する事はあっても、作成後に変更する事はほとんどない。
お客様から電話の問合せで「メタル便で12Mもの運べない」→ メタル「長さが12Mだと大型車のチャーターになりますが」→ お客様「それは困ったな、運賃の予算がそんなにないから、何とか混載で運べない」→ メタル「12Mを切断して6Mになると運べるんですがね」→ お客様「それが出来ないから、困っているんだ」 何ともかみ合ってなく会話はすれ違いだが、両者は真剣だ。
メタル便がスタートした頃は、関東エリアへ長尺物(長い物)は7メーター迄運んでいた。いつの頃から、7メーターはお断りし6メーター迄になっている。「鋼材を運ぶなら、7メーター位運べなくては鋼材プロドライバーと言えないよ。普通車でも、7メーターに限らずもっと長いもの運べる会社もあるのに」ごもっともな意見である。でもメタル便は「運べない」のではなく、「運ばない」のです。メタル便は10件以上にお届けするので「長尺物を積んだ為にトラックが出入りできなくなる配送先が結構あり、運行ルートで長尺物ものだけ先に降ろして回ることは実際に困難だからなのです。楽をしようとし、7メーター物をお断りしているのではありませんので、ご了解ください。 カジ