物流2024年問題

 

メディア掲載

鉄鋼新聞社 2024年3月7日
鉄鋼新聞社 2024年3月7日

「あすの物流を支え、守る 2024年問題」
メタル便名古屋県でセミナー
物流24年問題 行政が荷主への監視強化
公取の社名公表で企業イメージにダメージ
運送業者と前向きな協議を

鉄鋼新聞社  2024年1月22日
鉄鋼新聞社  2024年1月22日

あすの物流、支え、守る


関東発→名古屋・関西混載便
メタル便が新サービス開始
最大8㌧、最短翌着、料金値下げ

鉄鋼新聞社   令和6年1月19日
鉄鋼新聞社   令和6年1月19日

「あすの物流を支え守る」コーナー
メタル便
「物流24年対策セミナー」
2月26日名古屋で第4弾開催

告知 2024年問題 メタル便セミナーat名古屋
告知 2024年問題 メタル便セミナーat名古屋

日時:2024年2月26日 13:30開始
場所:ウインクあいち1203号室
定員:50名 +zoom
参加費:無料
主催:メタル便 三井住友海上保険


千葉県浦安 宮城県仙台 北海道札幌に続くメタル便グループ主催の物流2024年問題セミナーの、働き方改革適用を残すところ2か月での最終章

物流2024年問題
物流2024年問題

テレビ東京の午後11時ワールドビジネスサテライトに物流2024年問題への取組として取材を受け全国放送として放映されました。


2024年4月以降の働き方改革による残業時間の減少にともない固定給割合を増やす当社の取組や求人状況、高速道路のトラックの速度制限緩和への運転手の意見なと約4分間が弊社の現場や事務や車両など共に放映されました。

2023年9月19日 鉄鋼新聞社 
2023年9月19日 鉄鋼新聞社 

メタル便が仙台市でセミナー開催「2024年物流問題」の対応策を紹介
トラックGメンの監視内容の説明
本質はトラック不足と運賃値上げ

 

物流2024年問題とは

物流の2024年問題とは、「働き方改革関連法」によって2024年4月1日以降トラック運転手の年間の時間外労働が960時間に制限されることで発生する様々な問題のことを言います。運転手の労働環境は大幅に改善される一方で、相対的な運転手の労働時間減少により慢性的な運転手不足が発生、「荷物が運べなくなる」大きな社会現象とも危惧されております。

  

執筆者

梶 大吉

メタル便グループ代表 長尺モノ・重量の全国混載輸送、混載便のトップランナー、国土交通省モーダルシフト等推進認定事業9年連続22件の実績、物流2024年問題専門家(物流2024年は問題でなく「チャンス」との持論を展開)、使命=メタル便を通じて新たな物流交通網を創る、好きな言葉=これからの若者たち、次の世代と、さらにその次の世代に向けて、慶応義塾大学商学部卒業
物流2024年問題を解説して発信中 ☞ Twitter:DaikichiKa007

 

2024年問題の当事者は運転手と運送会社と荷主、3者それぞれの立場での予想される様々な問題を説明します。

 

  

荷主の2024年問題とは

荷主の問題点

  1. No.1荷物が運べない/荷物が届かないリスク
    2024年4月以降物流が一機にクラッシュするのではなく、2030年にかけ徐々にトラック不足の深刻度が増します。何も手を打たないと2030年には35%の荷物が運べなくなることが予測され問題視されてます。

    物量が多いから運送会社に無理を言えていた荷主や元請けへも、運送会社にとって不採算であれ、突然の断りを言ってくる可能性が有ります。
    また物流幹線網が細い地方では、2024年4月以降荷物が運べない、荷物が届かない、納期に間に合わない事などが顕著にでてくる可能性もあります。

    特に次の物流では、今度深刻なトラック不足が懸念されます。
    1. ①長距離輸送 400km以上
    2. ②ローカルエリアでの物流、ローカルエリアへの物流
    3. ③輸送条件が悪い物流 例えば、運賃が安い/荷待ち・作業時間が長い
    4. ④小規模運送会社に委託している物流

  2. No.2物流コスト上昇
    ここ数年で運送会社の運送原価が上昇しております。要因として・・・
    1. ●車両関連の諸経費値上り
    2. ●燃料費高騰
    3. ●消費者物価高騰や労働力不足による人件費の上昇

    佐川急便/ヤマト運輸/日本郵便などの最近の値上げにみても、運送会社からの現行運賃の10%増以内の値上げは妥当の様です。

    「新改善基準公示」の実施によりトラック不足、特に小規模運送会社の廃業や倒産の増加も懸念され、荷主が運送会社を競わせて低運賃を維持する従来の手法も危うくなり、「商品を運ぶ」ことを最優先に考えると大幅な値上げものまざる得ない状況になってきている。

    2024年4月を前に、既に運賃が大幅に値上がりしている輸送
    1. ①大手企業荷主の運賃、特に運賃に対して付加価値が高い商品の輸送
    2. ②特殊車両(ローリー・キャリアカー・重機車両等)を使う輸送
    3. ③建築現場等の納期厳守な資材配送

    現状トラック供給に対し需要が下回っている為値上げ交渉が難航しているが、トラック供給がタイトになった場合、特に大幅に運賃値上げが予想される運送は・・・。
    1. ④400km以上の長距離輸送
      400km以上の長距離輸送は従来の運行方法では困難になった。中継輸送や長距離の運行回数を減らすなど対策は進められているが2024年4月以降、輸送コストは確実に上昇する。
    2. ⑤地方での配送
      都心部に比べ地方は貨物量が少なく、「新改善基準公示」を機に運送会社の整理淘汰が進んでいる中、地方では運送会社の選択肢も限られている。運送会社から強気な価格交渉が予想される。
    3. ⑥運送条件が悪い荷主
      運送条件が悪い荷主、例えば安い運賃/積込地が遠い/荷待ち・作業時間が長いなどの運送条件では、運送会社より「新改善基準公示」を機に、大幅な運賃改定や、断り前提にした50%増や100%増の運賃提示を受ける場合もあります。

    「標準的な運賃」について
    国土交通省が指針とする「標準的な運賃」へ、運送会社より運賃改定の要望があった場合、相当の値上げになります。「標準的な運賃」は実勢の最低運賃より、常用便は1.5倍 長距離は1.5~2倍になっております。

    参考 全日本トラック協会関連サイト
    https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/content/000275060.pdf

    「標準的な運賃」 (働き方改革法施行を踏まえ令和2年4月告示)
    常用便 4t車 10t車 トレーラー
    関東運輸局の場合
    200km走行
    月間20日稼働として
    ​57,860円/日
    1,157,200円/月
    74,880円/日
    1,497,600円/月
    ​95,470円/日
    ​1,909,470円/月
    長距離輸送 4t車 10t車
    東京発→名古屋市(距離347km) 90,980円 117,840円
    東京発→大阪市(距離493km) 119,960円 155,430円
    東京発→仙台市(距離367km) 95,120円 123,210円
    30分を超える待機時間、積込み、取卸しその他附帯業務を行った場合には、運賃とは別に料金として収受
  3. No.3輸送条件の改善要求
    荷主に対し、政策パッケージに商慣習の見直しとして次のことがあげられております。
    1. ①荷待ちや荷役時間の短縮
    2. ②納品期限の見直し
    3. ③トラックの「標準的な運賃」制度の拡充・徹底
    4. ④パレットにより積降時間の短縮
    5. ⑤常用車両の拘束時間のチェック(運送会社の出庫してから帰庫までの時間も含む)

    これらは荷主と運送会社が一体となって改善に取組み、2024年問題の解決のため労働生産性を高めることが重要になっている。

  4. No.4企業価値低下のリスク
    国会の2023-24年の法改正により、輸送条件を含む運賃交渉に後向きな荷主・元請事業者に対し厚生労働省(労働基準監督署)・国土交通省(トラックGメン)・経済産業省(公正取引委員会の荷主特別対策チーム)の監視体制も強まり、運送会社からの要望交渉は拒否できない環境です。行政の指導に対し改善が見られない場合は是正措置を要求、さらに改善がみられない場合は勧告を出して悪質荷主として社名が公表されます。

    悪質荷主として行政から社名が公表されると、世間からブラック企業としてのレッテルが付き、消費者の行動変容やリクルートにも大きな影響を及ぼしかねません。

    危惧すべき点は、
    1. ●荷主だけでなく長時間の発地事業者の荷待ちや着地事業者の荷下待ちも、行政からの監視の対象になります。
    2. ●小規模荷主に対しても、運転手や運送会社からの通報により、労働基準監督署やトラックGメンの調査が入ります。
    3. ●運転手からの行政への通報は簡単にでき、SNS(食べログやグークルへの口コミ感覚で)慣れた若者は荷待ち時間にスマホに片手で造作なく書き込みます。SNSと異なり通報された事実が荷主には判らないので対策も打てません。

    【企業価値の上昇】
    この2024年問題の解決に向けたモーダルシフト等(船舶や鉄道利用や共同配送)による省力化や低炭素化を重視した企業の取組は、永続可能な社会への関心が高い企業として企業価値を高める

解決策

運賃値上げに対する対策

  1. A 運送会社と早めの協議
    既存運送会社の2024年4月以降の取引の継続の為の、価格改定や輸送条件の改善点の有無
    について運送会社と頻繁にかつ早めの打合せを実施する。運送会社との早めの打合せや早期の運賃変更は2024年4月以降の取引の継続の為にはとても重要です。運送会社から急な断りの防止にもなります。
    加えて、運送契約書の見直しで、契約期間や中途解約について明記することは、荷主と運送会社双方にとって大切なことです。
  2. B 相談ができる運送会社持つ
    既存運送会社との取引が現在順調でも今後運送会社の経営環境が大きく変化するため、大幅な値上げや輸送条件の変更を要求されるケースもあります。現在取引のない運送会社とのつながりを持つことは大切です。現在の運賃水準が適正であるかの検証、既存運送会社にないサービスや機能を提供してたり、情報交換の中で生産性向上のヒントをもらうこともあります。

荷主と運送事業者が一体となって取り組むべき対策

物流2024年問題は、荷主毎で全く状況が異なりますので、対策も千差万別です。
一般的に取り上げられている対策とその効果を一覧表にしました。

 

荷主の物流2024年対策一覧

商習慣の見直し 目的 摘要
コスト 運転手の
労働時間
低炭素
受注時間の切上げ 短縮 良 納期に影響
納期の余裕 短縮 良 納期に影響
納品頻度の見直し 削減 短縮 良 納期に影響
納品朝一指定を外す 短縮 納期に影響
付帯作業軽減 ※1 短縮 良 納品先の理解
※1 付帯作業とは 棚入・棚出/ピッキング/仕分/検品/値付け/据付等の荷台上以外の作業
共同配送 目的 摘要
コスト 運転手の
労働時間
低炭素
幹線輸送 削減 短縮 良
ラストワンマイル 削減 短縮 良 納期の余裕必要
提携(同業種/異業種)※2 削減 短縮 良
※2 提携目的として 閑散期繁忙期の解消/荷量を増やし積載効率向上/同一届け先等
長距離輸送 目的 摘要
コスト 運転手の
労働時間
低炭素
中継輸送 ※3 増加 短縮
運転手運行回数を減らす 増加 短縮
モーダルシフト ※4 増加 短縮 良 納期が長くなる
※3 中継輸送の方式 トレーラー・トラクタ交換方式/貨物積替方式/ドライバー交替方式など
※4 モーダルシフト 鉄道・船舶輸送は短距離にはメリットが少なく通常500㎞以上の輸送に適する
物流DX 目的 摘要
コスト 運転手の
労働時間
低炭素
出庫予約受付システム 増加 短縮
出庫情報の事前提供 増加 短縮
AIでルート配送 増加 短縮 良
作業改善 目的 摘要
コスト 運転手の
労働時間
低炭素
パレット/梱包の最適化 短縮
荷役時間の短縮 短縮
運送会社
取引見直し
目的 摘要
コスト 運転手の
労働時間
低炭素
白ナンバー化 納期厳守で差別化
新規運送会社との取引 バイケース 短縮 バイケース
3PL 削減 短縮 良 アウトソーシング
在庫拠点の変更 ※5 バイケース 納期短縮
※5 在庫拠点の変更 生産地から消費地へ/拠点数の変更/共同運営や委託化

  

運送事業者の2024年問題とは

運送事業者共通の問題点

  1. No.1運転手の労働時間減少により慢性的な運転手不足が発生。
  2. No.21人当たりの労働時間が減り、トラックの稼働が落ち、売上と利益が減少。
  3. No.3求人難により賃金相場の上昇、平行して在籍運転手の給料も上昇対象に。
  4. ・荷主への価格交渉とシビアな反応。
  5. ・定年延長等で進む運転手の高齢化や、健康に起因する事故リスク拡大。
  6. ・運送会社の5割弱を占める10名以下の小規模運送会社にとって、求人難に加えて労働時間把握のシステムやDX化への新たな投資は事業継続の大きな壁に。

運送事業者の問題/個別ケース

長距離輸送
  1. ・ワンマンで二日間かけて往復する長距離輸送、片道500km以上の運行は時間外労働時間の上限が年960時間では収まらなくなる可能性が高い。解決策として月間の運行回数を減らすか、中継地点を設け運転時間を減らす等があげられます。より多くの運転手が必要になり、中継地点の運営費もかかり大幅なコストアップ、最悪の場合は運べなくなる事態も危惧されます。

ネット通販・宅配便
  1. ・年々増加する需要と更なる人手不足、深刻な状況です。運賃値上げやリードタイム見直しで対処するも、荷物が届かない事態も懸念されている。ネット通販の短納期/送料無料の商習慣、再配送の多さ、宅配を支える軽自動車個人事業主の疲弊、根深い問題があります。
軽自動車等個人事業主
  1. ・「長時間で重労働だが稼げる」が魅力ですが、以下に理由で稼げなくなりが個人事業主の廃業が増える可能性も。
    1. ①ネット通販やフードデリバリーの競争で低運賃・多数納品が定着
    2. ②インボイス制度導入により消費税分が減収
    3. ③仕事量の波が大きく、収入が不安定
  2. ・労働者に該当しない個人事業者は、改善基準告示の対象ではないが、国土交通省の基準により実質的に改善基準告示の遵守が求められます。行政処分の対象ではありません。
365日24時間供給の業種 食品/生活品/自動車関連輸送など
  1. ・夜間出勤・土日休日・シフト制出勤が多い為、求人がより困難になり募集時の賃金も高騰。
運送元請け
  1. ・小規模運送会社の廃業や倒産、中堅規模運送会社のM&Aが進み、運送会社の企業数の減少、下請け車両の確保が困難に。
3PL業者
  1. ・車両の確保に加えて、作業員の確保も困難に
運送と言っても引越/液体/生鮮食品/宅配/精密重量物など扱い品種も多岐に渡り、荷主の業界固有の特性や商習慣も多種多様のため、皆様の現場で起こりつつある問題等、生の声をお聞かせいただき共有できれば幸いです。

解決策

一にも二にも荷主への価格交渉(物流プロセス課題の改善要求含め)を行い、物価が上昇傾向の中、料金改定で得た原資をドライバーの待遇改善(賃金・労働時間短縮・職場環境改善)に充てる。
 

トラック事業者が自社で取り組むこと

  1. ①在籍ドライバーの賃金、及びドライバー募集金額の見直し
  2. ②残業時間の的確な把握、働き方改革達成に向けての問題点の洗い出しと改善
  3. ③職場環境(安全・健康・勤務形態等)の改善

荷主へのお願い

  1. ①標準的な運賃の収受と付帯料金(燃料サーチャージ・付帯作業・拘束料金の収受)

トラック事業者と荷主が協力して取り組むこと

  1. ①荷待ち時間、待機時間の削減
  2. ②パレット化/情報共有/DXによる業務効率化など労働環境改善と生産性向上
  3. ③リードタイムの延長や時間指定の緩和等、商習慣の変更

トラック事業者が中長期的に取り組むこと

  1. ①荷主から自立した、下請けではない値上げができる企業体質に
    「荷主から自立した勝ち残り戦略」
    以下のいくつかの強みを組み合わせ、セグメント化した分野でのNo1.かNo.2
    1. ⑴共同配送・・・複数顧客の荷物を組み合わせる力(業界/商品特性別)
      ⑵ラストワンマイル・・・特定エリアの配送網
      ⑶元請け・・・欠員・欠車しない信用力、高い品質保証
      ⑷輸送情報収集力とIT実装力
      ⑸設備・・・倉庫・中継地点
      ⑹3PLや物流加工
      ⑺経営幹部の突出したアナログ営業力
      ⑻運送会社の強みを生かした商品加工や商品販売への多角経営
      ⑼特殊車両と特殊技能・・・ユニック車・建設機械・ローリー・トレーラー
      ⑽上場企業から利益率の低い仕事(ROE)のアウトソーシング
  2. ②供給するマーケットに対し、事業規模・トラック台数の適正化(M&A・廃業)
  3. ③労働生産性の向上、DX化

 

ドライバーの2024年問題とは

ドライバーの問題点

2024年4月からの法律改定により労働時間の新たな上限規制が設定され、運転手の生活時間にゆとりがもて、行政の運送会社や荷主への強い働き掛けで時間当たりの賃金に上昇や重労働の軽減など総括的に運転手の労働環境を改善する取組です。運転手がより豊かで幸せになることを目的にしております。大きな改革ですので、運送業界にいきわたるまで時間もかかり、途中の段階では固有の問題が起きることも予想されます。

  1. No.1残業が少なくなった分の給料の減少、長距離手当が減額
  2. No.2現場でのマンパワーの減少により、一人一人の作業負担が増加
  3. No.3運送会社の整理淘汰(廃業・M&A)が進み、職場が変わる可能も

解決策

勤務先の運送会社体質見極める。

この局面で運送会社の企業価値観や変化への対応力が問われます。
給料が減る会社、違法労働を強いる会社、人員不足でより労働が厳しくなる会社等、労働環境が悪くなってはいないか。
一方で特徴があり運賃値上げが可能な会社か、変化をチャンスに変えている会社か、給料や労働時間を含めて職場環境を改善しようとする会社か、見極める必要があります。

ライフスタイルに合った職場か転職の検討。

2024年問題はドライバー不足で会社は大変ですが、ドライバーにとって自身の価値観にあった企業への転職のチャンスでもあります。
給料重視<稼ぎたい>、家庭や趣味などライフスタイル重視、仕事にやりがい重視
ストレスフリー重視 <一人でマイペースの仕事>、運転手としてやりたい仕事<長距離か近距離、土日か平日か夜間の就労、普通車か大型車か特殊車、定期配送>、短期の就職か生涯の就職かなど。

 

働き方改革関連法

働き方改革関連法とは

目的:労働者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方

具体的施策

  1. ▶労働時間の短縮その他の労働条件の改善
    1. ①時間外労働の上限規制
      労働基準法制定以来初、罰則付きの労働時間規制を導入します。
    2. ②年次有給休暇の確実な取得
    3. ③月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率引上げ
    4. ④勤務間インターバル制度
  2. ▶雇用形態又は就業形態の異なる労働者の間の均衡のとれた待遇の確保
  3. ▶多様な就業形態の普及

 

働き方改革関連法に対する質問

Q.1近年ネット通販の成長で宅配輸送が増え深刻なドライバー不足、加えてドライバーの高齢が進む中、なぜ今時間外労働の上限規制や年次有給休暇の取得など、現役ドライバーの労働時間を削減する施策が実行されるのですか?
A.1国会において「働き方改革関連法」を2018年公布、翌2019年施行しました。少子高齢化を国難とも呼ぶべき危機と位置づけ、女性も男性も、お年寄りや若者も、子育て、介護など様々な事情を抱える人も、誰もが意欲を持って働くことができ、その能力を発揮できる柔軟な労働制度への変更です。戦後の労働基準法制定以来七十年ぶりの大改革、労働人口の変化や女性の社会進出が当たり前になった現在、後手に回った労働基準法改正とも言えます。
主な改善点は、産業界に染みついた長時間労働の慣行を打ち破る為の時間外労働の上限規制、雇用形態による不合理な待遇差を禁止した同一労働同一賃金などです。運送会社の過当競争は運賃のダンピングを生み、その帳尻を運転手の長時間労働と低賃金で解決してきました。現状の延長では働く者にとって希望の持てない運送業界に、働き方改革関連法によりメスをいれ、運送会社と荷主が一体となって問題を解決する為の改革です。これからの若者達と、次の世代と、さらにその次の世代が豊かで平和な暮らしを送るために必要不可欠な「働き方改革関連法」です。(参考:第196回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説)
Q.2「働き方改革関連法」には罰則があると聞いたのですが。
A.2【運送事業主に対する罰則は】
運送事業主に対し次の場合、労働基準法第32条違反となり6箇⽉以下の懲役⼜は30万円以下の罰⾦となります。加えて従来からの国土交通省からの処分として、過労防止の観点から一件確認された場合には「10日車」、2件以上確認された場合には「20日車」の車両停止も定められています。
  
【荷主に対する罰則は】
荷主に対する罰則は有りませんが、トラック事業者が法令遵守できるよう、荷主の配慮義務が設けられております。国土交通省HPの意見募集窓口、地方運輸局からの連絡、適正化事業実施機械との連携により、国土交通省が情報を集約して事実確認の上、荷主に対して「働きかけ」「要請」と段階を経て「勧告・公表」、悪質荷主として世間に知らしめます。
独占禁止法違反の疑いがある場合は、公正取引委員会への通知。2022年12月に価格転嫁の協議に応じない企業・団体13社が「優先的地位の濫用」の恐れとして公表されました。
 
【トラック運転者に対する罰則は】
有りません。が「稼ぐ為には、時間超過でも働きたい」との運転手の家計状況は、今後のブラック運送会社の温床にもなります。
Q.3荷主と元請けに対し標準的な運賃を指導・監視するために「トラックGメン」設置されると聞いたのですが。
A.3内閣府主導で6月2日に取り纏めた「物流革新に向けた政策パッケージ」(通称総理パッケージないし政策パッケージ)で①商習慣の見直し②物流の効率化③荷主・消費者の行動 の3つの施策からなります。総理は一年以内の成果が得られる対策として「取引条件と価格の見直し」を重視し、厚生労働省と国土交通省が連携して荷主と元請けに対し標準的な運賃を指導・監視するために「トラックGメン」(仮称)が設置されることになりました。

Q.42024年問題は運送だけなのでしょうか。「2024年問題」とネットで検索すると医療も建築もでてくるのですが。
A.4働き方改革関連法案の5年間の猶予期間が設けられた業界は物流だけでなく、建築業や医療にも適用されます。

建築業界では、「建築業の2024年問題」と表現され、2024年4月以降は時間外労働時間の上限が年720時間になります。物流業界と同様に建築業でも高齢化や労働人口の減少に伴う人材不足で長時間労働が常態化している課題を抱えています。建築業では技術が一人前になるまで年数を要し、これも影響して若者の離職率が高いのも特徴です。

医療業界では「医師の2024年問題」と表現され、2024年4月以降は診療に従事する勤務医には、トラック運転手と同様に時間外労働時間の上限が年960時間になります。
時間外労働時間の上限が年960時間を超えてしまう場合には、都道府県が地域の医療提供体制に照らし労務管理体制を確認した上で、医療機関の指定を行い、その上限をなんと年1860時間とできる枠組みが設けられます。令和元年で勤務医の時間外労働が年1860時間を超えは全体で21%、大学病院で46%、救命救急機能を有する病院で49%と推定されとても劣悪な職場環境です。医療事故やヒヤリハットは長時間勤務ほど高まる分析もありますが、質の向上を目指し医師の働き方改革を進めると、一方でスタッフ不足による医療崩壊が起きてしまうという厳しい状況で命を預かる職場だけに深刻です。

Q.5政府は法律と罰則だけ決めて「運賃値上げを荷主は受け入れ、物流費高騰による物価上昇はやむなし」と何か政府は無責任の様に思えるのですが。最終的に一般国民が被害者になるのでは。
A.52018年「働き方改革関連法」の公布以来、時間外労働の上限規制の適用を見ても2019年から大企業、2020年には中小企業、運送業界には2024年からと4年の猶予期間を設けております。その間の政府の一連の動きをみていると、

  1. ▶総合物流施設大網(2021~2025年度)経済産業省/国土交通省/農林水産省/環境省の連携
  2. ▶物流総合効率化法 大臣認定とそのメリット(補助金/税制特例/金融支援等)
  3. ▶SIPスマート物流サービス 内閣府主導
  4. ▶フィジカルインターネット実現会議 経済産業省 国土交通省
  5. ▶官民物流標準化懇談会 パレット標準化推進分科会
  6. ▶ホワイト物流推進運動 経済産業省 国土交通省 農林水産省 賛同企業参加型

と首相直結の内閣府や各省庁連携で問題解決の為目まぐるしく動いております。
 
厚生労働省では多岐に渡る助成金も用意されております。

  1. ▶働き方改革推進支援助成金 (時間外労働時間の改善等に取り組む中小企業支援する制度)
  2. ▶業務改善助成金/低賃金引上げ支援 (最低賃金引上げや生産性向上のための設備投資)
  3. ▶キャリアアップ助成金 (非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、 処遇改善の取組)
  4. ▶両立支援等助成金(職場生活と家庭生活の両方
  5. ▶65歳超雇用促進助成金 (65歳以上の定年引上げや高齢者の無期限雇用への転換)
  6. ▶人材確保支援助成金 (魅力ある職場づくりの為労働環境の向上、人材の確保・定着)

 
国土交通省では物流総合効率化法に基づき、温室効果ガスの排出削減、流通業務の省力化による持続可能な物流体系の構築を図るため、荷主企業及び物流事業者等物流に係る関係者によって構成される協議会が、実施するモーダルシフト等の取組みを支援(モーダルシフト推進事業)します。

まとめ

物流2024問題点がクローズアップされ関心も高まる中、行政の後押しも得て荷主と運送会社が協調して一つ一つの問題を解決していけば多くのメリットが得られます。

具体的メリット

  1. ◉働き方改革により残業時間が減り、ドライバーの生活時間が確保される。
  2. ◉荷主と運送会社間で標準的な運賃の収受により、ドライバーの給料が改善する。
  3. ◉荷主と運送会社と配送先及び消費者が一体となり取り組み、待ち時間の減少や再配達の減少、パレット化や機械化による手積降作業の減少。
  4. ◉DX化、共同配送等によりトラックの生産性向上とCO2削減を推進。

結果として、トラック運転手の給料が改善されれば、安定した生活、特に若者においては結婚資金も確保でき、子育てやマイホームなど将来設計も立ちます。しいては消費拡大にもつながり、少子高齢化にも大きく貢献できます。働き方改革関連法は国民がより豊かで幸せになるために改定された法律で問題も発生しますが、長年の問題を解決する好機と捉えることが重要です。

 

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